2021.06 21
マンション外壁のタイル張り!吹き付けとの違いを徹底検証
マンションの外壁は、建物全体を美しく見せる洋服であるだけでなく、日差しや雨風から建物を守るため、重要な役割をもちます。
戦後から1964年の東京オリンピックの頃、集合住宅が大量に建てられ、マンションブームで民間の手に渡ってからその流行も変わっていきました。2種類ある外壁、それぞれを見ていきましょう。
目次
タイル張り
タイル仕上げは、ヨーロッパのレンガ造に由来するもので、格調の高さが感じられますね。レンガタイルから発展し、さまざまな色調や表面の質感をもつタイルが販売されています。
外観の美しさ
外壁の種類は石材や磁器材など様々ですが、吹き付けよりも高級感があり、見た目が美しいのが特徴です。
ヴィンテージマンションに多くみられるのは、磁器タイルを使ったもので、年月とともにタイルの色に深みが増して重厚な雰囲気を醸し出します。
耐久性
鉄筋は錆びやすいため、アルカリ性のコンクリートで包み込み鉄筋コンクリートの状態にしますが、長い年月風雨にさらされると、コンクリートが中性化してしまいます。
これを防ぐために一役担ってくれるのがタイルです。
コンクリートの寿命を長く保ち、耐火、耐水性にも優れているので、今や主流となっています。
吹き付け
‘吹き付けタイル’と呼ばれることもありますが、塗装による仕上げです。
塗装であるのに吹き付けタイルというのは、塗装表面がタイル表面に似ているため。外壁に合成樹脂とモルタルを混ぜ合わせた素材を吹き付けて塗っていく方法です。
タイル仕上げ以前に主流だった方法です。
耐久性
表面がツルツルしていて水をよくはじき、汚れが付きにくい特徴があります。
タイルに比べると汚れやカビが付きやすく、大規模修繕ごとに塗り替えが必要となります
安価である
建設費は安価で工事も短期間で済むのが最大のメリットです。
高級感は出にくいですが、塗装の色へのこだわりなど工夫次第では魅力的な外壁にすることも可能です。
タイルvs吹き付け どちらがいいの?
コンクリートを守る力
コンクリートを守る力
タイルや塗装はコンクリートを風雨や日光から守り、劣化を遅らせる働きを持っています。
風雨にさらされ塗装が剥げたり、地震などでひび割れが起きるとその力は弱まります。タイルの方が、完璧に覆い被さっているので、コンクリートを守る力は強いと言えます。
メンテナンスのしやすさ
・タイル
耐久性が高く、貼り替えが必要なほどの劣化がすぐに起きる心配はありません。
建築時のコストは塗装よりも高いですが、メンテナンス費用は塗装よりも安価です。
しかし、タイルが剥がれて落下し、負傷者の出る事故が相次いだことで、2008年より打診検査が義務付けられました。
・吹き付け
時間経過とともに塗装が剥がれてしまうと、コンクリート本体が直接風雨にさらされ、ひびに染み込んでしまいます。
塗装だと10年に1度の塗り替えが必要なので、最初の工事費は安く抑えられますが、修繕費がその分かかることになります。
まとめ
道路に面した外壁はタイル張り、バルコニーの裏側や、共用廊下の壁は吹き付けにするなど、組み合わせも可能です。
全面をタイル張りにすると、初期コストが高くなるため、目立たない部分は吹き付けを使用し建設費を抑えることもできます。
タイルの方が耐久性が優れているなどの特徴もありますが、吹き付けの初期費用が抑えられることも魅力なため、長い目で検討することが必要ですね。