2021.07 23
誰もが目を奪われるマンションアプローチとは?
アプローチとは、マンション前の公道から建物のエントランスまでを繋ぐ通路のこと。
道を歩いていて、あら、これは高級ホテルかしら?と振り返って、マンションなんだぁ!と思ったこと、ありませんか?
マンションの顔とされるアプローチからエントランス部分のクオリティが、マンション全体のグレードの基準とされることもしばしば。
魅力的なアプローチで、街行く人を、こんな場所に住んでみたい!と思わせる外観づくりを目指してみませんか?
今回はアプローチに使われる素材を細かくみていきましょう!
目次
魅力的なアプローチとは?
アプローチにゴミが落ちていたり、汚れていたり、植栽が荒れてしまっていると、マンションの価値を落とすことにもなりかねません。
居住者数が多かったり、高級分譲マンションの場合は受付にコンシェルジュ、そして管理人さんや清掃員の方が常駐していて、アプローチやエントランス周りを綺麗に保ってくれているケースが多いでしょう。
アプローチの景観次第でそのマンション住民の美観に対する意識や管理組合としての組織力を判断されかねませんので、人がお出かけ前に身だしなみをチェックするように、アプローチ環境も常に清潔に保っておくことが大前提でしょう。
清潔感こそが美観には最も重要な要素ですが、やはりそもそものアプローチの造り、デザイン性が優れているに越したことはありませんね。
また築何十年と経過したマンションでは、せっかくアプローチを美しく保っていても、デザインが時代にそぐわず遅れた印象を抱かれてしまうかもしれません。
すごく昔に建てられた古いマンションというイメージを、時代やニーズにあった最先端のつくりにするために、リノベーションして魅力を何倍もアップさせましょう。
では、どんなところで魅力や個性がだせるのか。今回は床面の素材についてみていくことにいたしましょう。
マンションアプローチの素材の種類
マンションアプローチは、居住者全員が毎日使うことはもちろん、マンションを訪れる人の、家に対する第一印象が決まる重要な玄関口です。
通りがかりの人にも目に触れる場所ですし、安全でかつメンテナンスしやすい素材には、どんなものがあるのか、その特徴などをまとめてみました。
タイル
最も一般的なものとしてタイルがあります。土を原料としており、普及率が高いこともあって、さまざまな業者が多種多様な製品を展開しています。
グレーやベージュなど、どんなデザインにもマッチする無難なカラーが主流で、組み合わせが変幻自在なことから形は利用しやすい正方形や長方形の物が多くなっています。ただ、雨に塗れると滑りやすい側面もあるため、選び方に注意が必要です。
❶テラコッタタイル
土を成型し、乾燥させた後に焼いた素焼きタイル。ただ、吸水率が高く汚れやすいので、施工するときは、汚れを防ぐシーラーなどの処理もある程度必要でしょう。
❷磁器タイル
面が摩耗するのを防いだり、変形や変色を起こしにくい性質を持っており、また水圧による破壊も起こりにくいため、商業ビルの玄関や歩行者の多い公共の床タイルなどに使われています。マンションにはうってつけでしょう。
❸人工大理石
大理石より価格は安く、代替品としてキッチン天板、最近ではシンク、洗面台、浴槽などさまざまな製品にも多く使用されていますが、玄関口にも大人気です。
加工性や着色性に優れ、コストパフォーマンスが優秀なのが何よりの魅力。人工的に作られているため、仕上がりは均一で透度が高いのも特徴です。
敷石
一般的に用いられる敷石は、御影石や石英岩などの使用頻度が最も高いです。
種類や配置次第で、和風洋風様々な表情を見せてくれるため、様々な場所で大活躍です。
乱形のタイプには隙間に小石、芝などを敷くことでデザイン性もグッと高まり、雑草が生えるのを防ぐ効果も発揮します。
【乱形石】
上述の乱形タイプですが、洋風の演出にはうってつけです。
色や形がランダムで、明るめな色は洋風にマッチし、深い色味のものは、和を感じさせることも可能です。
形が1枚ずつ異なるので、腕の確かな職人さんに、しっかりと施工を依頼し、唯一無二なアプローチを目指しましょう。
【角形】
最もポピュラーでスタンダードな平板。長方形・正方形の形をしており、メリットは敷き詰めるのが楽である点。整えやすいということはメンテナンスもしやすく、ダメージも少ないでしょう。
色味によって大きく印象を変えることもできます。植栽がある場合は明るめな色で暖かみを演出し、スタイリッシュなアプローチがご希望の場合は深い色味を使うと引き締まります。
他の外構エクステリアとのバランスを整えてくれる、なんとも便利な敷石です。
【ステッピングストーン】
アプローチをお洒落に演出するために一役担ってくれるのがステッピングストーン。
アクセントとして用いられるのは定番の丸型のほか、ハート型・クローバー型・楕円型など、個性溢れるさまざまな形があります。
こちらもランダムに用いることでその特徴や良さが発揮され、拘りのアプローチとなるでしょう。
砂利
大きめの砂利は歩くと音がなって防犯対策にもなるため人気な砂利。アプローチを彩る人気アイテムです。
アプローチに適した砂利は、形がきれいで石の種類も選べる’化粧砂利’と呼ばれるタイプで、デザイン性だけでなく、敷き詰めるだけで雑草が生えにくくなるという利点を持っているため、アプローチ全体のメンテナンスを簡単にしてくれます。砂利の下に防草シートを敷いてさらに効果を高めておくと良いですね。
【白玉砂利】
角のない丸みをおびた砂利。マンションエントランスは老若男女いろんな方が歩くため、転倒した時や、お子様にも安心なのは魅力です。
上品な色合いはどんな装いのマンションやアプローチにもマッチします。雨の季節は濡れた時の色合いの変化も楽しめますよ。
【赤玉砂利】
木材やレンガと非常にマッチするエンジを帯びた赤玉砂利は、自然を感じられる木の温もりを重要視して作られたマンションにも、メルヘンな玄関口にも、煉瓦造りの景観にも、様々用いることが可能です。
【ピンク玉砂利】
可愛らしいピンク色の玉砂利でマーブル状に色が入っており、微妙な色合いが楽しめるピンク玉砂利は、若い方が多く入居されるマンションにも人気が高くなっています。
また、若い女性が多い場合は、石が擦れて音が鳴るので防犯対策にもおすすめです。
【瓦砂利】
屋根瓦を砕いたものをリサイクルして作られるその名も瓦砂利。とてもエコな素材で比較的安価なので、環境にもお財布にも優しい素材です。
色合いもさまざまで土を焼いたものなので保水保湿にも優れ、防犯対策にも適しています。
レンガ
不動の人気とも言えるレンガは、形や大きさが均一で使いやすいため人気が高い素材です。
温かみのある質感が人気の理由で、赤みがかった茶系の物が多く、並べ方にこだわることで個性を出すこともできます。
レンガ風に加工された素材を選択するとコストも抑えられて、万人に支持されるアプローチになるのは嬉しいですね。
【日干しレンガ】
天日干しで乾かして作るレンガで、石や木材などの建材が手に入らない中国から西アジア,アフリカ北部,中南米などの地域でよく使用されました。
【焼成レンガ】
ローマの時代に建築材として普及したレンガで、20世紀に焼成の設備が効率化したために建材として一般的に使われるようになりました。
枕木
線路に使われている枕木も、エントランスに使われる素材です。メンテナンスの関係から経年劣化が気になる場合は、軽量コンクリート製の擬似枕木をお勧めします。
枕木を採用するだけで和風のアプローチに仕立てることが可能です。
【天然木の枕木】
エクステリア専用の新品の木製の枕木です。国産天然木に耐久耐候性を出したものなら比較的リーズナブルですが、耐久性に劣ります。
防腐剤不使用のウリン材などハードウッドのものなら30年以上の耐久性がありますが、メンテナンスが必要な素材です。
【人工木の枕木】
❶コンクリートで作られ、カラーバリエーションも豊富、ずっしりとした質感でアンティークを再現したものもある’コンクリート枕木’は、防虫、防蟻、防腐に優れています。見た目も木に似せているので、違和感なく使えます。
❷’アルミ角柱枕木’は一般的な枕木よりスリムなものもあり、フェンスなどと合わせて揃えられるので、エントランスに一体感を持たせることができます。
ただ、本物の枕木よりはナチュラルさにはかけるでしょう。
❸繊維強化プラスチックを使った’FRP樹脂枕木’は、木粉の量次第でかなり本物の木材に近くなり、人工のウッドデッキ素材にもよく使われています。
腐らず、白アリの心配もないので、耐久性も30年ほどと長持ちします。
コンクリート・インターロッキング
タイルより厚く頑丈で、耐圧強度、耐震性に優れている、インターロッキングは最も薄いものでも厚みは6cmという規格になっており、1〜2cmのタイルと比べ非常に頑丈になっています。
タイルの質感が欲しいけれどより頑丈なものを好まれる場合にはぴったりの素材です。保水、遮熱など、様々な効果のものがありますのでご検討ください。
【保水性ブロック】
雨天時にブロックが吸水して保水し、晴天時に水蒸気として放出させることのできる、機能的なブロック。
したがって路面温度を下げ、都心で起こりがちなヒートアイラインド現象を低減させる効果があります。
【遮熱性ブロック】
遮熱性のインターロッキングブロックは太陽光を反射し、蓄熱しにくいので、夜間の放射熱を軽減します。
【リサイクルブロック】
廃棄物のガラスなどを主原料とすることで、環境に優しいリサイクル商品として注目が集まっている素材です。
【透水ブロック】
水捌けが良いため水たまりができにくく、跳ね返りにも安心です。雨水を側溝に促す施工にも使われるブロックです。
【植生用ブロック】
環境配慮型ブロックで、保水性ブロック同様ヒートアイランド現象を緩和させる効果が期待されています。
まとめ
マンションエントランスは、マンションそのものの品格を表す評価基準ともなり得る場所です。
竣工マンションを見学する際、又は中途契約や賃貸の場合の下見でも、一番注目すべきはエントランスとも言われています。
エントランスの良し悪しは、マンションのグレードにも影響を与え、入居率を大きく左右します。
おしゃれは足元からと言われるように、マンションの顔とされるエントランスのその足元を美しく整備することで、マンションの価値を’底上げ’すると効果的でしょう。
誰もが歩いてみたくなるアプローチに、思わず背筋が伸びる気品あふれるアプローチに!アプローチの床面の素材にこだわってみませんか?