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マンションエントランスをバリアフリーに!誰にでも優しい環境を整えよう!

2021.07 12

マンションエントランスをバリアフリーに!誰にでも優しい環境を整えよう!

最近よく転ぶなぁ。足腰が弱くなったかも。ちょっとした段差にもつまずいてしまう。そんなお悩みが年齢を重ねるとともにどんどん生まれてくるもの。今は大丈夫でも将来のことを考えると、備えあれば憂いなしですよね。
また、高齢者にとってはちょっとした設備がバリアフリーではないことで、毎日の生活に支障をきたしてしまいます。少しでもストレスなく安全に過ごすためには、おうち選びの際最も考慮すべき点かもしれません。
2012年の国土交通省のデータでも、バリアフリー法による取組みでバリアフリー化が推進されていることがわかります。
世の中でもその動きが高まる中で、老若男女様々な人が暮らすマンションのオーナー様はぜひ、バリアフリー化をお考えください。
今回はマンションの中でも共用部分、特にエントランスを中心にバリアフリーについてみていきましょう。

バリアフリーとは?その目的は?

バリアフリーとは、もともと建築用語で’バリア(障壁)’を’フリー(のぞく)’、障壁となるものを取り除き、生活しやすい環境を整えることを意味します。
建物内の段差など、物理的な障壁を取り払うと言う意味合いから、近年は建築業界だけではなく、より広い意味で用いられてきています。
皆様ご存知の通りですが、高齢者や障害者だけでなく、病気やケガをしている人などにとっても、安全で安心して生活していく上で重要な問題です。明日、なんらかの理由で怪我をしてしまい、車椅子や松葉杖生活を余儀なくされるかは誰にもわかりません。その可能性は誰にでも平等にあるからこそ、人ごとと思わずに常日頃から対策しておく必要があるでしょう。
マンション共用部分やエントランスに関しては、どんな状態の時でも外に出やすく、歩きやすく、ベビーカーが使いやすいことなどがとても大切です。
共用の階段、エントランスホール、エレベーター、エレベーターホールなどは自宅からの外出の際に必ず通る場所。ライフステージの変化も念頭に置いた住居選びをする新規の入居者様に選んでいただける玄関口をバリアフリーの観点から目指していきましょう。

バリアフリー化を図る上での観点

バリアフリーといっても着目すべきポイントは様々です。もし自分がバリアフリーを必要とするのであれば、今ある環境の何が障害となり得るのかという目線で考えてみましょう。
また新規の入居者様は、共用部分やエントランスに関して何を望んでいるのでしょうか。

安全に移動できるかどうか

専有スペースが住みやすい空間になっているとしても、外に出るために必ず通る場所である共用部分やエントランスが安全に通り抜けられるかというのは、マンションのバリアフリーを考える上で大切なポイントになってきます。

・エレベーターがあるか
・共用部分の階段、廊下に手すりがあるか
・外階段などに落下防止の手すりがあるか
・段差のある部分に手すりやスロープがあること
・勾配が緩やかであるか

具体的には以上のことが挙げられます。
ご自宅を出てから外に出るまでの間に障害やストレスがあっては、せっかくの外出も気持ちいいものになりません。
どなたでも外出の際、安心して出かけたいですよね。老若男女、どんな人でも安全に移動できるために求められることでしょう。

介助がしやすいかどうか

バリアフリーの設備が整っていることと、それを使いやすくより快適にするためには、元々の設計幅がゆったりしていれば車いすの介助がしやすく通りやすいですね。また、大荷物の際やベビーカーでも安心です。
ここで大切なのは、本人だけでなく、それを介助をする人が介助をしやすいことという観点です。

・入り口が自動ドアであるか
・共用の廊下、階段の幅を広く取っているかどうか
・エレベーターやエレベーターホールのスペースにゆとりがあるかどうか

共用部分はみんなが使う場所です。
車椅子の人、ベビーカーを押す人にとっても、そこにいる他の方々にもノンストレスな環境であることが、日々の暮らしには欠かせないポイントではないでしょうか。

共用部分に取り入れるべきバリアフリー設備

上の項目で、入居者様がバリアフリーに関してどんな考え方を持ってらっしゃるかについてみていきました。
ここでは、マンションのエントランスや共用部分でどんな設備が必要であるか、具体的にみていきましょう。

エントランス扉は自動ドアが便利

マンションの玄関口であるエントランス扉。バリアフリーの観点からマンションを選ぶ際には、エントランスの正面玄関扉が自動ドアであるかどうかはとても重要なポイントです。
エントランスは’マンションの顔’とも言われ、デザイン性あるこだわりの扉を設置しているマンションも多いかもしれません。見た目はおしゃれでも、いざ手動ドアの場合、松葉杖で両手が塞がっている場合は、重い重くないの利便性の問題以前に、不可能が生じてしまいます。
また車椅子やベビーカーがある時、多くの荷物を持っているときにも、正面玄関の出入口が手動ドアだとドアを開けるのに苦労してしまいますね。
エントランス扉が自動ドアか手動ドアかは、築年数に関係なく物件の仕様によるので、しっかりとチェックしておくべきポイントでしょう。

エレベーターは必須

高層マンションならばついているのが当たり前で、設置の有無を特に気にしたことがないかもしれないエレベーターですが、設置基準は存在します。
建物でエレベーターを設置しなければならない基準は、実は階数ではなく高さです。建築基準法第34条で、高さ31m超の建物に’非常用の昇降機’つまり’エレベーター’の設置が義務づけられています。
また、サ高住と言われる、’サービス付き高齢者向け住宅’などの高齢者向けの共同住宅では、国土交通省の「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に定められているように、3階建て以上の場合にエレベーターの設置義務があります。

そのような設置義務が存在するということはやはり、体が不自由になりつつある人々にとってエレベーターは必須であるということを意味します。
また今は健康であっても、身体が不自由なとき、荷物が多いとき、車椅子を利用するとき…その機会はいつ訪れるかわかりません。災害時にも安心安全なエレベーターも多数登場していますので、エレベーターの有無はしっかりと確認しておくべきでしょう。

段差のスロープ

エントランス前に階段や少しの段差があるマンションでは、スロープが設置されているかどうかが大切になってきます。自動ドアやエレベーターが設置されていても、その前に段差という障壁があっては前へ進めません。
部屋に入るまでのすべての行程がクリアされて初めて、バリアフリー環境と言えるのです。
例えば、車椅子だけでなく、どこか痛めている場合も、段差はないに越したことはないですし、台車などで荷物を搬入するときも、お部屋の外の段差はない方がいいですね。健康体であるときは何も気にならない、無意識に通過してしまえる段差でも命取りとなりかねませんので、要チェックです。

手すり設置の有無

歩行時にあったら便利なアイテムとして、手すりが設置されているかを見てみましょう。手すりは軽視しがちですが、ふとした時、掴まれたからこそ大事故にならなかったケース、大怪我につながらなかったケースも多々あるほど、身を守るのに必要なものです。
掴まるところがないと、壁を直接触っても安定感が得られません。ちょっとしたタイミングで少し身体を預けられる手すりの存在は重要でしょう。
ではどのような部分に必要なのか。共用廊下や階段だけでなく、スロープにも手すりがあることで、歩行が困難な方だけではなく、少し掴まりたいときにも役立ちますね。
エントランス内の壁面にも手すりが設置されているマンションもあり、バリアフリーに気を配っているオーナーさんだということに気づくでしょう。どこに手すりがあるのか、注視してみましょう。

共用部分のゆとりある設計

様々な設備が設置されているかどうかも大切なポイントですが、マンションの共用廊下や階段等そのものの設計において、通路幅が十分に取られているか確認しましょう。
例えば、荷物が多い時、車椅子やベビーカー・台車を利用している時、廊下の幅が確保されていなければスムーズに方向転換や通行ができかねます。
また、災害時なども一気に人が押し寄せた場合、共用部分が狭いことでパニックが起きかねません。
人や物が十分に通行できる幅が取られているのか、エントランスやエレベーターホールがゆとりある設計になっているかがポイントです。

駐車場スペースが確保できるか

都心部では駐車場の確保が難しい場合もありますが、多かれ少なかれ大型のマンションには駐車スペースが多くあります。
ただ、条例などでの定めのある地域以外では、身体障害者用駐車場が必ずあるとは限らないため、注意が必要です。

車椅子を利用される方にとって必要なのが、車椅子を自動車から昇降するスペースが確保できているかという点。十分なスペースが確保できていない場合、いくら専用の駐車場が確保されていようとも意味をなさなくなってしまいます。自動車を傷つける恐れがあったり、車椅子利用の方自身の身動きが取れなくなったりする可能性があるからです。
車椅子の出入ができる幅をとった駐車区画があり、敷地内で乗降できる場所があるかについて事前に確認を行いましょう。

まとめ

バリアフリーについて意識してらっしゃる新居のご入居者様が増えている昨今、共用部分のバリアフリー化は、入居率向上に向けて避けては通れぬ課題でしょう。
築年数が古い場合は特に、様々な設備が整っていない場合が多くなっています。新規の方だけではなく、入居当時は不都合なかったけれど長年住む中でライフステージの変化から気になることが増えた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そういった方々の立場に寄り添い、意見を取り入れながら、誰もが住み良いマンションを目指して、共用部分、エントランスのリノベーションをご検討されてみてはいかがでしょうか。

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